日本刀は古くからわが国が誇る鉄の文化財です。
四方山話31 「祝.岐阜県支部創立六十周年」
昨年の六月、(公)日本美術刀剣保存協会の評議員を拝命した。(任期は四年)
今年の六月下旬、岐阜県支部創立六十周年の祝賀会(7月9日)への招待状を受け取った。
=公益財団法人 日本美術刀剣保存協会 評議員 米田一雄様=と有った。
十年前の岐阜県支部五十周年の時、近藤支部長宛、長い祝電を打ったことを思い出した。
前年より、岐阜県支部と博多支部間で支部交流を始めていた。十一回の直線距離で六百kmの支部交流を続けたことになる。
十年経って、協会評議員として来賓扱いの招待になっていた。
古稀を過ぎてしまっているのに、少しも永い期間と思わない。
鍛えられながら、楽しい刀剣生活を送ったと思っている。手持ちの残り時間が少なくなったけれど、この十一年間を経験しなかったらと思うことが無い私の人生は幸せであった。
ひさしぶりにネクタイ着用で、祝辞の大盤振る舞いをして来た。
と云っても、挨拶に永話は禁物、5月20日六十周年記念行事の刀剣押形展を岐阜博物館で観ていたので、これを中心に話しているうちに、なんだか、胸にこみあがるものがあり、言葉につまるようになって、あわてて、マイクを置いて終わりにした。
祝賀会は楽しませてもらった。十一振りの観賞刀、その後で、五振りの一本入札鑑定刀と並ぶ、気配りにあふれたプログラムで、感心するとともに感服せざるを得なかった。
岐阜博物館での押形展入場者は一日当たり162名、総来場者8115名であったと、後日お知らせがあった。
岐阜博物館は里山の中に建てられ、交通インフラは0、市道からも離れた僻地で、関市にその点の陳情を続けているとの事であったが、よくぞここまで入場者がと、ひとり喜んでいる。
又、博物館の館長さんはじめ、外部にツイートを盛んにしていた所、驚く程の反響で、数十万のフォロワーが有り、館員皆でびっくりする程喜んでいたとのことでした。
日本刀押形展は、刀剣界初の催しで、大きな影響を我国刀剣界に与えると、開催前より予想していたが、それ以上の成果がすでに感じられるとの話を聞き、なんだか、自分がほめられているような気持ちになった。
この歴史的な展示会に出合い、ほんのチョット参加できたことをうれしく思っている。