日本刀は古くからわが国が誇る鉄の文化財です。
11月の鑑定研修会の報告
11月15日(日)の鑑定会は南区の市民会館で、博多支部主催で開催しました。
参加者は支部員のみの21名でした。
鑑定刀は下記の5振りで、他に笄、小柄、目貫の名品が研修のために展示されました。
1号 刀 銘 肥前国近江大掾藤原忠廣
地鉄良く詰み、地沸付き小糠肌、刃文、頭の揃う足長丁字。
2号 刀 銘 筑前国住貞之丞利次
表 梅花樹彫 裏 勢如弦弩、節如発機の文字彫
地鉄、やや肌立ち気味。鎬の柾目強し、刃文中直刃。
3号 脇指 銘 表 薩陽臣奥元武 裏 寛政二年戌秋
身幅広く、大切先、地鉄よく詰み無地肌。刃文、のたれ刃、沸匂、非常に深い。
4号 刀 太刀の刷り上げ、銘 俊光
長篠の戦いに参加した小野田源右衛門が天正七年に刷り上げたとの切り付け銘有。
重ね厚く、地鉄、やや肌立つ、刃文、丁字、互の目、腰の開いた刃混じる。
5号 太刀 銘 表 備前国長船住藤原俊光造 裏 昭和三十九年正月吉日
身幅広く、重ね厚い。長さ、84.0cm。地鉄、良く詰み、丁字刃に蛙子丁字を交え、畠田守家を模した豪刀。
今回の鑑定刀は時代の見極めに重点を置いて鑑定することにしました。
5号刀以外の時代違いの入札はありませんでした。
展示された30点の刀装具の鑑賞のあとで、後藤家の詳しい説明があり、刀装具の名品を身近にし、改めて精緻を極めた技の凄さを再認識しました。
(武富記)
【第3回 小道具講座】
12ページのテキストを準備していただき、後藤家の存在、刀装具界への多大な影響等を解りやすく講義してもらった。初心者でも後藤家への認識を深めることができた。
室町時代末期より、江戸時代末期までの多くの後藤作品が並び会場は華やかで、拡大鏡をのぞく会員でにぎわった。
新しい取組みも、博多支部の偉大な先達のおかげで支部研究会の楽しみが増えた。
リーダーのK先生、今後ともよろしくお願いします。
(米田記)