日本刀は古くからわが国が誇る鉄の文化財です。

四方山話14 公益事業、市民センター講座に挑戦

2013年06月26日 更新

六月二十日、市民センター講座に呼ばれていたので、三本の刀を持参して、刀の話をしてまいりました。
参加者は約30名、ほとんどの方が初心者と思われたので、硬い話は抜きにして、四方山話流儀で楽しんでもらうことと思っておりました。

時間は90分、色々と進め方は考えていましたが、当日の出席者の雰囲気で何でも有でやるつもりでした。
ただ絶対に的をはずさない一点として、刀を初めて観る人達だろうと、予備知識無しで、自分の眼で観てもらうことに集中しようと定めていました。

御婦人が六名参加されていて、日頃の研究会には無い雰囲気が私にはうれしいことでした。

三本の刀を並べ、① ② ③の番号札をつけ、まず袱紗に添えて刀を少し持ち上げ、刀の重さを感じながら観てもらうことから講座を始めました。
(もちろん、取扱いマナーは=こうして下さい=と実演してみせていました。)

全員が観終わったところで、カードを配り、① ② ③の内から一番気に入った刀を選んでもらい、カードに氏名と番号を記入していただきました。

全員が参加してくれ、集めたカードを①~③に分けてみると、①~③に見事に分散しているのです。

刀は江戸時代初期に的をしぼり、慶長から延宝まで位の時代差をつけ、健全でレベルの高い刀を並べていましたので、内心では札が分散することを期待していました。
この結果には大いに満足しました。
十人十色と申します。好みも感じ方も十人十色であることが自然な事です。

次に①、②、③を選ばれた理由を聞いてみました。
全員とはまいりませんので、一本につき3~4人にしぼりましたが、聞かせていただいた理由に何かをつけ加えるとしたら、刀のそれは専門的な事のみなのです。

初心者あなどるべからず。刀の美点を適確に掴まれたお話しばかりでした。
初心者の方が短時間で美点を感じとられているのです。

この結果に講師が舞い上がって、話しは四分五裂しました。

=八重の桜=NHK大河ドラマの女優さんの話、来年の大河は=黒田官兵衛=
=家康と秀吉はどちらの方が女好きか=
閑話休題をくり返す仕末で、笑い声は絶えませんでしたが、無駄話が多過ぎて、時計を見ると、予定時刻が近づいていました。茎を開けるつもりはなかったのですが、茎も刀の顔、最後に参加者の皆様に茎をなでてもらい終了としました。

この講座で私は刀を観る基本を再確認させられました。
知識や経験は絶対に必要ですが、そのチョット前に、刀の美しさ、力強さにまず気付くことです。

市民センター講座に出向き、出席された初心者の方々に講師が教えられてしまうことになりましたが、私には楽しい90分で大満足でした。

御婦人方が、お守り刀、短刀に興味を持たれたようでした。
(話しの途中でお守り刀の話しをチョットしたのです)
次は短刀をとの要望です。

お呼びいただければ、喜んでまいりますと、お答えしておきました。